境内墓地への
お墓参り

 妙寂寺駐車場はお寺に隣接した白い壁に囲まれている駐車場のみです。道路向かいの駐車場は全て他法人・個人の敷地です。短時間でも絶対にお止めになりませんようお願い申し上げます。

お墓参りについては地域性の色合いがとても濃いです。以下は浄土真宗本願寺派の教えや住職の考えを示したものです。他の寺院様や他の地域に当てはまるものではありません。お寺によって様々なルールが作られており、妙寂寺も境内墓地に参られる沢山の方の安全と清潔さを保つためルールを定めています。

  • 妙寂寺境内墓地ではできるだけ生花をお供え下さい。枯れてしまったお花はお花捨て場(山門横)へお捨て下さい。
  • お供え物は必ずすぐにお持ち帰り下さい。置いておくと言うことは「お供えする」ではなく「放置する」ということだと思います。
  • 長期間参拝できないときは、お供え物やお花をそのままにしないでください。又お花立ては水を抜き、フタをするなりして水が入らないようにすることをお勧めします。

住職の考えるお墓の意味

お墓は私たちがご先祖や故人を敬い讃える思いから建立されたものです。ご先祖や故人は霊魂としてお墓にいらっしゃるわけではなく、ご先祖や故人は仏となって常に私たちのそばで見守って下さっています。しかしながら私たちは日頃それを感じ、感謝の心を向けることはなかなか難しいことです。だからこそご遺骨を納め形にすることで感謝を向ける場所として私たちはお墓を大切にしてきたのだと思います。お墓はかけがえのない命を私に伝えて下さったご先祖に感謝しつつ「その命を精一杯輝かせて生きてくれ」との私への願いを聞く場でもあります。更に言えば、納められている大切な方々のご遺骨を前にして、私の命も終わりのある諸行無常であることを味わう大切な場でもあります。

 従ってお墓はご先祖や故人に対して私たちが「○○してあげる」場所ではなく、私たちがご先祖や故人を敬い讃える思いを表し、ご先祖や故人の願いや教えを聞いていく場所なのです。

持って行く物

①お念珠
 蓮如上人はお念珠を持たず礼拝することを「仏さまを手づかみするようなものである」と仰いました。お寺やお墓にお参りする際には必ず持参しましょう。

②蝋燭・線香・マッチやライター
 特に線香は後述しておりますが、1束を供える物ではありません。少量の線香でもいいので香りが良く質のいいものを準備しましょう。妙寂寺は薫玉堂さんのお線香を使用することが多いですが、中でも「花絃」は住職のお気に入り、「大樹」もお手頃でお勧めです。

③お花・お供え物・花切ばさみ
 お花はお仏壇にお供えする時と同じく「トゲや毒・悪臭のある花、造花」は供えません。お供え物はお菓子や果物がいいでしょう。

④掃除道具・ゴミ袋・軍手など ※基本水洗い・水拭きです。
 タオルやブラシなど。ブラシは堅い物を使うと反って墓石を傷つけるので柔らかい物を準備します。変色・変質してしまうこともある為、墓石用洗剤であっても洗剤はお勧めしません。本格的に綺麗にしたい場合は業者に依頼しましょう。

お墓参りの手順

★ 必ずお念珠を持ってお参りしましょう。

① お寺の境内にある墓地にお参りする時は、境内に入るとき(門をくぐるとき)一礼します。そしてご本堂・ご本尊に向かって合掌礼拝します。これはお帰りになる時も行います。

② お墓に行きまず手を合わせてから、墓石に水をかけ綺麗に洗います。水をかけるのは亡き人の供養のためではなく清掃のためです。その他ゴミを拾い雑草を抜き清掃します。

③ 花立てを掃除し、お花を供えます。お供え物があればお供えします。

④ 蝋燭立てがある場合は蝋燭に火を点し、線香を焚き、合掌礼拝します。できればお経をお勤めしましょう。手を合わせご先祖方に思いを馳せます。私の「いのち」はたくさんのご先祖方のご苦労の上に生かされている「いのち」です。

お供え物は持ち帰り、家でおさがりとして頂きます。そのままお供えしたままにすると、お供え物を粗末にしてしまいますし、鳥などが荒らしてお墓を汚してしまいます。

お墓参りはいつされてもいいものです。お彼岸やお盆を始め、年末年始や命日、人生の節目にも是非お参りください。

気をつけたいこと

特にお盆などにテレビなどのメディアによってお墓参りの仕方等が報道されます。様々な宗教や宗派がありますのでひとくくりにすることはできませんが、浄土真宗本願寺派としてのお墓参りについて書きまとめました。

線香は束で供えるものと決まっているわけではありません。
線香の香りは死者の食べ物だという宗教もありますが、浄土真宗ではそのように考えません。基本的に線香は一人1・2本を寝かせて供えます。ですが、本数に決まりはありませんので、適量をお供え下さい。たくさんの量をお供えする為に安価な線香を供えるよりも、香りが良く質のいい線香を少量でも供えるべきだと思います。たくさん焚けばいいというものではありません。
お供え物は仏様や亡き方に、食べて頂いたり飲んで頂く為に供えるものではありません。
お供え物は仏様や亡き方に対しての敬いの心を形にした物です。だからこそ私たちにとって大切なもの お米やお餅(主食)、お菓子や果物(共に貴重だったもの)をお供えするようになったのだと思います。仏様や亡き方に食べて頂いたり飲んで頂く為に供えるものではありませんので、お供え物の封を開ける必要はありません。
お供え物を粗末にしてはいけません。
肉や魚などは供えませんが、お米やお餅、お菓子や果物も元をたどればすべて「いのち」です。そのひとつひとつの「いのち」を無駄にしてはいけません。命の犠牲の上に成り立つ私たちだからこそ、そのひとつひとつの「いのち」は大切に有り難く頂きます。
お供え物を粗末にしないためにも、「お下がり」として頂きます。
「お下がり」とは仏様や亡き方にお供えした後に下げた物を言います。屋内の場合はある程度時間が経っても頂くことができますが、墓地などの屋外ではそうはいきません。お墓参りは、掃除をしお花やお供え物を供え、蝋燭に火を点し、線香を供えた後、合掌礼拝します。できれば読経致しましょう。お墓参りを終えた後、お供え物は放置せず、持ち帰り「お下がり(仏様や亡き方から頂いたもの)」としてご家族でお召し上がり下さい。ですので、お供えするときに飲み物や食べ物の封を開けなくて構いません。
お供え物を放置すると様々な問題が起きます。

上の写真は妙寂寺の境内墓地で撮られた写真で、秋のお彼岸頃に砂糖菓子に集まったスズメバチです。砂糖菓子をはじめ、飲み物などにもスズメバチは集まってきます。スズメバチは墓地を訪れる小さいお子様やお年寄りの命を脅かすことにもなります。又、カラスなどが食べ物飲み物を荒らし、他のお墓のご迷惑にもなります。お供え物を放置されることは絶対におやめ下さい。